ロールスロイスシルバーシャドウ2
日々のプロジェクトや大阪でのデザイン会社としての考え方。

Dec. 2018 | 面倒見れるうちは
最近、オーダーしていた車がやっとこさ届きました。
1978年 ROLLS・ROYCE シルバーシャドウⅡ
V8 6747cc伝説のハンドビルドエンジン。
ほとんど手作りに近い車です。
きっかけはクライアントさんの草野食品の中田社長にクラシックカーの世界を教えていただきました。
前々からデザイン的にクラシックカーの美しさには惚れ惚れしていましたが、どうしても
「動くのか?!」「壊れるのでは?!」という先入観のもと踏み出せず。
しかし中田さんに
「今の車はおもろない。少し壊れるくらいが可愛がり甲斐があるんや」
の一言で全て納得。
東京の超マニアックで、クラシックカー愛全開の方に
オーダーしました。
「クラシックカーを普段使い出来るレベルにまで仕上げますよ」と。
聞くと天皇陛下が乗っておられたコーニッシュの整備もされていたそう。
案の定整備メンテナンスが凄い。
全部バラして、頼んでもいないオーバーホールまでしてくれたり、
下道、高速道路と何回もテスト走行を繰り返し、
「んっこの若干のエンジン音のノイズは何だろう〜帰って見てみよう」
を何度も繰り返して整備してくれました。
どこを取っても一切の妥協が無いんですね。
そら10ヶ月も掛かります。
キーを右に回し、ランプ点灯した時点で、5秒ほど待つ。
この5秒の間に、燃料ポンプからガソリンが送られてくるのでそこから、セルを回す。
エンジンが掛かると、アイドリングが高く、エンジンが温まった段階でアクセルを空ぶかししてアイドリングを安定させてから動かす。
この一手間がいいですね。
いわゆる現代の車しか乗ってこなかったので車の原点を知れて非常に勉強になりました。
実際の乗り味も最高で、のんびりと毎日走らせています。
内装・外装ともデザイン性も最高で時間が空けば眺めています。
このシルバーシャドウまでが利益度外視でふんだんに良い素材を使っています。
内装のウッドも200年ものの「バーウォールナット」。
バーウォールナットとはウォールナットの根っこの部分。なんとひとこぶ5万ポンド(約800万)。
シートも普通の車は座る面だけですが、シート裏も丸々ぐるっと巻いていたり、
この時代に速度固定のクルーズコントロールが付いていたり、
シートも電動でポジションを変えれたり、当時の至れり尽せりだったのでは無いかと思います。
今回整備していただいたショップの方も然り、ここまでやるか?!と感じるポイントが多く、 このようなマインドで仕事と向き合うべきということをまた認識出来ました。
体が元気なうちはこの車の面倒を見ようと思います。
僕の反射神経が鈍くなってきたらまた次の後継者にバトンタッチしたいと思います。
シルバーシャドウに乗り出してから色んな人に声を掛けられる笑。
中田社長とカラベル。
中田社長行きつけのヴィンテージカーショップ。
フランスルノーのカラベルという車。これも格好良かった。
内装も40年のままのレザー。割れもなく大切にメンテナンスされていたんだな〜と感じます。
この美しい曲線とテールランプの美しさ。
このフロントマスク。何かお爺様という言葉が似合う。