伸びゆく観光業界に先にブランディングを施し、確固たる優位性を築く。

観光ブランディング

今回のミッション/ブランディングご依頼の経緯

これから日本は2030年に向けて、観光大国として成長していくフェーズに入ってきた。
これは非常に嬉しいことであり、日本というものが観光を通し、正しく評価されるチャンスである。


しかしその反面、キャラクター等に依存し、観光土産さえ売れれば良いという無惨な発想。
為替の影響で外人が高く買ってくれるからと言って不当なプライスタグを付けたり、
更にはお店側が正しい伝統や歴史を知らず、きちんと文化を伝えることが出来ない現状もそこにはある。


本来あるべき姿の観光とは、その店の当主が文化を熱ぽく、脈々と体験を通して伝えることで
観光人がそれに興味を持って共感し、その文化や事象を自然発生的に周りに伝えていくことではないかと考える。



そうすれば一過性のプロモーションやマーケティングなどしなくとも、
ブランド力が強くなり、結果として永続的に収益が入ってくる仕組みとなる。


其のような本当の観光の姿をもう一度見直し、
独自性のある文化を伝えるべく、本ブランディングプロジェクトはスタートした。

観光ブランディング成功のポイント
「古」からどのように「未だ誰も知りえぬ新しい味の価値」を生み出すかがブランディングの肝。

日本で、お茶の有名処と言えば、静岡、京都、埼玉、鹿児島等。
しかし、奈良の地でも「大和茶」と呼ばれる、大同元年(806年)から
歴史が紡がれているお茶があるのです。


大和茶は自然な「甘み」や「旨味」に奥ゆかしさがあり、
大和茶が育つ地は、標高200~500m、平均気温13~15℃、降雨量 1500mmの山間冷涼地で、
粘土層の地質が多く、土がミネラルなどを多く含む恵まれた環境があります。
また日照時間も短く、昼夜の温度差も大きいため、結果として旨味が凝縮された美しい味の茶葉になります。


そんな高いポテンシャルの大和茶と様々なハーブをブレンドし、
文化を守りながら正しい解釈を持ってして、現代にバトンを渡すような取り組み。
ベースを崩さず、広い視野を持って未だ見ぬ客層にアプローチする。


「未だ誰も知りえぬ新しい味の価値」を生み出す。
これこそが本当のイノベーティブなアプローチのブランディングだと感じます。

デザインのプロセスと解剖

<葉と葉が湯の中で重なり合う様相を、ロゴのインスピレーションへ>




<ロゴコンセプト>


葉と葉が湯の中で重なり合い、茶葉がゆっくり舞うように上がっていく。
その様相を、1つのロゴのインスピレーションとして捉えました。


オーナー様の淹れるお茶のように、優しさや滑らかさ、美しさを表現する為に、
円から角の無い滑らかなデザインが生まれています。


「茶」「楽」「茶」の文字を滑らかに変化させ、
日本の伝統文様である「立涌文様(古来より蒸気が立ち昇るさまは吉祥とされている)」
を湯気と見立て、デザインを考えた。


日本の美学である、「隠し味」「奥ゆかしさ」。
見えない隠し味のようなコンセプトがどこか日本的であり、不足の美とも捉えることができ、
オーナー様の拘っている隠し味やフレーバーという根本に通じていると思います。


凝縮された一滴(ひとしずく)。込められた思考、想いを一つの滴として
1つのシンボルマークとして抽出致しました。

<大和茶という体験をそのまま持って帰れる茶筒のパッケージデザイン>
































前述した大和茶と、農薬や化学肥料を使わないハーブを使用し、
其々の味をしっかりと堪能出来るよう1つ1つ丁寧に調合した。


ハーブと日本茶とブレンドすることにより、
今までに味わった事のない味覚の世界に出会うことが出来る。
「味覚の美」の世界観を一つのパッケージデザインとして表した。


ビニール袋やクラフト袋にお茶っぱでは味気ない。
日本茶といえば茶筒という文化があるでは無いか。
様々なフレーバーをたくさん並べた時、日本らしい「整列の美」を意識してデザインした。


茶筒をイメージしたパッケージサイズは大き過ぎず小さ過ぎず。
敢えて意図しないミニマルを目指した。


茶筒を開ける時の程よい抵抗感。簡単には抜けない塩梅を数十パターンも及びプロトタイプを作り、
心地よい塩梅を探ったことが今回のパッケージの見えない拘り。


また飲み方の説明書も茶筒にジャストフィットするように設計し、
千利休の茶室のようにミニマルにまとまった、機能的で審美的な1つの世界を作り上げた。

<インスタグラムの「コピーと写真」の世界観ディレクション>

インスタグラムの世界観の作りこみが昨今、
非常に重要であることは言わずとも理解に容易いだろう。


しかし、そのインスタグラムの世界観をしっかりと作り込めている店舗やブランドは、
ごくわずかというギャップを生んでいる。


スタッフがスマホで写真を撮って、其れなりにインスタにアップ。。。
これではブランディングという観点からは大きく的を外していることに早く気付くべきだ。


インスタグラムは今やホームページと肩を並べるくらい重要なツール。
そのインスタグラムの世界観の損失は企業としての大きな損失ということ。


ブランディングでは写真の温度感の調整、どんな順番で並べるべきか、並べた時に感じるストーリー性、
タップし、開いた時の写真と言葉の温度感の塩梅はどうなのか?そのブランドらしいハッシュタグは?等
全てをミクロに細かく考察し、全体的なマクロとしてのブランド感を意識し、
インスタブランディングを煉り上げます。


<2023年9月現在 フォロワー数は2100人>
フォロワー数の数のみを競う程、無意味なものは無いとご承知おきを。要はそこに実が伴っているかが重要。フォロワーを買うマーケティングはしていない分、フォロワー数の伸び方は緩やかだが、着実に本当のファンと繋がりながら伸びている。この手法が本質的であり長く商いが続く。

<観光客との接点である店舗デザイン>


















観光ブランディングで非常に重要な役割を果たすものが、店舗デザイン。


今回のご相談は、ブランディング構築にあたり、店舗探しから店舗デザイン、店舗オープンまで一緒に寄り添って欲しいとのご依頼。
その中で実際に、奈良駅からの観光客が歩くルートを散策すると、奈良町にしかない独特の雰囲気を感じる事ができる。


まず、店舗選びをする上で重要視することは、建物の中ではない。
重要かつ具体的なアドバイスはここでは公開出来ないが、
その建物や土地の持つ未だ見ぬポテンシャルというのだろうか、
物理的では無いのだが、情緒的に歩きゆく観光客の気持ちの変化が訪れるべきポイントが
そこには発生しており、それが無いところは絶対に繁盛しない。
建物内装はデザイン設計力とインテリアコーディネートで何とでも変化させることが可能です。


今回はカウンターのみ、店主が1人1人に丁寧にお茶を淹れるスタイル。
某有名コーヒーショップのように芋洗い的に客をさばくのではなく、
観光客が訪れた時に、「美味しさという感覚の提供」とともに、
「大和茶の文化」をわかりやすく咀嚼しながら伝えることで、
店主と観光客との間にコミュニケーションが成熟されるということろに妙味がある。


カウンター上に埋め込んだ、歴史を感じる鉄茶釜から湯気が立ち上る雰囲気の中で飲む大和茶に価値があり、
「視」「聴」「嗅」「味」「触」、全てを体感できる空間演出を考える事が、
店舗デザインでは重要であると考える。


アイデンティティである「古」「新」の要素もバランスよく取り入れた。
カウンターの世界観は一枚板の古木材に数百年前の鉄茶釜である「古」。
インテリアには「新」を意識し、店内照明は「Annular pendant」「Material pendant」など海外から直接輸入し、
店内チェアは、Bo Concept ADELAIDE chir 、レストルームのソープやデュフーザーで店の真価が問われる為、
Bamfordで香りもブランディングを施した。

<ウェブデザイン>












<ブランディングを考慮した写真撮影>












観光ブランディング























なぜ写真が重要かわかりますか?


例えばインスタで「奈良町 お茶」などと検索すると山のように写真が表示されます。
その中で観光客に押してもらうという勝利を得なければならないからです。


昨今簡単に写真が撮れるようになって来て写真の量は超膨大です。
その中でも一際目立つ、目に留まり、
押してしまうようなクオリティの高い写真が必要なのです。


アイフォンの性能がいくら上がっても良い写真は撮れません。
アマチュアが一眼レフを買って撮れる写真でもありません。
料理と一緒で、経験やセンスの差がわかりやすく出るのが写真なのです。


桶屋のブランディングでは特に写真に拘ります。
他と圧倒的な差をつけ優位性を持つブランディングにしましょう。

これからの時代は、AIには出来ない「人」が歓びを得れる体験を生み出す情緒的なブランディングが残る

























伝統と近代的理性の結合が観光ブランディングの肝。

どうすれば観光ブランディングが成功するかゆっくりと考察してみましょう。
そして観光ブランディングには切っては切れない、
「リアル」と「デジタル」の関係性についても考察してみましょう。


ネットフリクス、YouTube、zoom、メタバース等、
コロナをきっかけに一度デジタルに全振りしたような風潮もあるが、
気付けば良い感じでリアルにまた戻ってきていることにお気付きであろうか?


人間はデジタルだけでは満足出来ない生き物。
もし満足出来ていたなら今頃世間はzoom飲み会だらけだろう。

しかし世間はzoom飲み会ばかりしてるか?していない。それが何よりの証拠だ。


デジタルが主流になればなるほど、アンチのように反発し、結局リアルを求めるのだ。
だからこそリアルに快感を感じれる、旅行や体験は絶対になくならない。
それは何故か、簡単である。我々が人間だから。生理的反応である。


満足出来ないからこそ、
人は出歩き、美味しいものを食べ、アートを見に行き、
車を走らせ、美しい景色を写真におさめるだ。


ここで重要なことが、
最後はその写真を友達や恋人にLINEで送ったり、インスタやツイッターに投稿したり、YouTubeにアップする。という行為。
最後はまたまた「デジタル」なんです。
デジタルで調べ、リアルに体験し、デジタルでしめるといったサンドイッチ。


デジタルとリアルの共存。
これが観光ブランディングを考えたときに重要なワードになってくる。



これからの観光業は、

◎CIの構築。受け皿を作りブランディングデザインを施す
◎知ってもらうため(認知)のデジタルの活用
◎リアルの体験レベル(おもてなし・ホスピタリティ)を上げる事
◎サービスに対し、価値を漏れ無く伝えるブランディング設計をする
◎それらを拡散するためのデジタルを活用

これらを一貫してブランド構築することが
観光業が成功するメゾットです。
株式会社桶屋ではそれらを一つ一つ丁寧に具現化して参ります。
まずはご相談ください。


ブランディングは一過性の費用ではなく、未来への資産形成を司る大切な投資です。




月刊「SAVVY」2023年8月号お茶特集にて掲載。
NHK TV放送 2023年7月12日(水)18:30〜にて放映。
茶楽茶 様

所在地:〒6308382 奈良県奈良市公納堂町6-1
https://sarasa.jp/

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