代表取締役社長名刺のデザインについて

社長名刺はアイデンティティを可視化した「デザインの塊」である。

社長名刺




「社長の名刺」という定義について少し考察してみよう。



私自身、デザイナーであり、一応代表取締役という社長としての肩書きを背負っている。
名刺については本サイトにも散々書いているが、社長という立場上、特に大切だと感じている。


社長としての名刺本来の役割は何か?其れは、、、
自分という人間をたった1秒でどう伝えるかだ。そうアイデンティティ。
僕は幾度となく、自分の名刺を変えている。
其れは様々な印刷やデザインの名刺を持つ事で、創造という幅を広げつつも、
毎度、突拍子もないデザイン、紙、印刷で桶屋というアイデンティティを伝えている。



桶屋の名刺を持つクライアントの社長方々は
1、ずっと何年も同じデザインを愛する
2、時の経過とともに自分の成長をデザインとして変えて欲しい
というパターンがある。


2のパターンは濃いお付き合いをさせていただているからこそ可能で、

まずは1度目の名刺の打ち合わせのヒアリングで、
ある程度そのクライアント様の未来が実はうっすら見えている。
現在はちょっと目立ちたい、如何にも「社長らしい名刺」を望んでいるが、
3年後には落ち着き、少しスマートな静けさのある名刺を好みそうかな〜と妄想する。
ブランディングを主たる生業としている故の癖なのかもしれない。


其れらを鑑みて、3年後の未来のレールに乗せながらも、少し「目立つ」というエッセンスを入れる。
クライアント様の考えを全否定する事は意図とはしないので、
其れらを全部踏まえて考える事こそ相手に対する心遣いだと思っている。


社長というトップである以上、色んな迷いが生じる。
資金繰りが厳しい。思ったより商品が売れない。従業員とトラブルがあった。
その逆も然りで、いきなりヒットし儲かり過ぎた、一気に事業を拡大した。
その時は、一番ブレやすく間違った方向に行く可能性が高い。


前述したが、この社長名刺は自分を其の儘写し出すもの。
そんな時こそ、打ち合わせしたその時を思い出してほしい。
出来上がってお渡ししたその時の気持ちを思い出して欲しい。


そのブレは少し収まり正しい方向へ進んでいくと思います。
名刺という役割は情報を相手に伝えるだけではない。
自分を元の位置に戻すという重要な役目があるのです。






僕の2023年現在の名刺。真っ白で分厚いスノーブルに、この朱が非常に映える。



社長のインパクトを名刺を通し、相手の脳へどう突き刺せるか。





この写真は実は活版印刷で刷られている。活版+写真という創意工夫のされた組み合わせ



風格ある社長名刺。余白がある意味の威圧感を発生させる。社長たるものこれくらいの情報量で堂々と見せる。





デジタルの名刺に真っ向から歯向かうかの様な存在感!もし情報交換が必要であれば、後からメールで情報を送れば良いだけのこと。デジタル名刺不要。古き善きを生きる。



アイデンティティをどう捻出するか。真っ黒な上質紙に全面金箔+名刺の縁の部分も金で染めている特殊加工のオンパレードの様な社長名刺。



このロゴも全てデザインを担当。ステーキ屋らしく単純に牛を描けばよかったのかもしれないが、このお店のコンセプトらしく、複雑でアートで抽象的な牛を描いた。




この金の小口染めのインパクトは感性を完全に解放している。独特な空気感を出せる社長名刺。



同じ社長名刺でもこちらは無造作な佇まいで、さりげない美しさがある。ミントブルーと完全なブラックではない黒の組み合わせが絶妙。




社長名刺はそれぞれの個性がパキッと出る。それぞれの内側にめくるめく多様性を感じる。





商品の魅力を煽り立てることはデザインの本質から遠ざかる。情報がノイズとなり過剰な表現は伝達力を結果弱める事となる。端的な哲学書を名刺代わりにしても良いのではないか。





下記は少しデザインのマニアックな話にはなると思いますが、
株式会社桶屋のクライアント様には好ましい話かと存じますので、
宜しければお付き合いくださいませ。




<フォント・文字の考え方ひとつで大きく変わる>



一番大切な事は「デザイン」。印刷などもその上重要ではあるが、
根本はデザイン。デザインが貧相だといくら印刷に拘っても貧相である。


デザインは様々な要素が組みわさって成り立っていますが、
今回は文字について考察していきます。


文字の世界もどっぷりハマると抜け出せなくなります。
明朝体、ゴシック体(黒体)、丸ゴシック体(円体)、宋朝体、清朝体、隷書体、元朝体、行書体、篆書体、草書体、ラテン体(拉丁体)、アンチック体(古体)、御家流―江戸文字、図案・装飾文字
などが挙げられますが、大切な事は知識があるだけではなく、
其れらをどうデザインするかが重要です。







今回この社長名刺に使用したものは、「解ミン」と呼ばれる明朝体に隷書の筆法を取り入れた漢字と、活字時代の筆の運びを感じさせるデザイン書体です。 ヒラギノ明朝、リュウミン、新聞明朝、Ro本明朝小がな等の明朝体にするといかにも社長感が出てしまい、少々固いイメージになってしまう。 何を選ぶかは最終デザイナーのセンスに委ねる形となる。だからこそクライアントの求めているものを汲み取る力と形へ可視化する力が重要である。





解ミン・リュウミン・ヒラギノ明朝・本明朝小がなと呼ばれる4パターンのフォントで違いを見てみよう。明朝体とはセリフ(うろこ)と呼ばれる飾りがあり、横線よりも縦線の方が太い書体が多く見られます。その観点からヒラギノを見ていくと横線が細く、縦線が太いのが見て取れます。解ミンはどうでしょうか?こちらは縦線横線の細さがほど一緒という事に気づきましたか。こうして1つ1つ分解していくと、同じ様な系統でも何故印象が違うのか、書体の個性の紐解きになると思います。





注目いただきたい部分は、それぞれの書体ごとの文字内の余白。ヒラギノと解ミンでは余白の取り方が全く違います。ヒラギノは窮屈な文字の成り立ちをしている。逆に解ミンは余裕のある文字の取り方をしている。デザインは細かいディティールの連続体なので、この余白が余裕な書体の集合体をマクロで見ると「堂々としたイメージ」に繋がるのである。














この辺りはデザイナーでもよく理解できない方も多いかもしれない難解な研究ゾーンですが、解ミン独特の曲線を感じる書体の場合はこの様に、氏名の最初と最後に円を引いてあげることより円やかな統一感があることが可視化されて理解できる。逆にヒラギノの方は直線的で角張った書体なのでやはり刺々しい、固い印象となる。


文字といってもどうやら、フォントを変えるだけで済む話では無さそうな事はご理解いただけたと思います。


氏名の最初と最後の漢字の文字の形状で最終的な収まりもこれだけ見えかたが変わる。
この細かい要素を検証し、デザインへ可視化する行為こそがデザインというである。
全ては幽玄なる美しさを追求して。











社長名刺






<社長名刺作成の流れについて>



<1>.まずはこちらよりお問い合わせください。<お問い合わせフォームはこちら>
<2>.ご希望のデザインのヒアリングや具体的な枚数・印刷方法・紙質など、クライアント様のご意向の仕様を決めていきます。
ヒアリング方法は「メール」or「ズーム」or「直接事務所に来ていただき打ち合わせ」の3つからお選びください。
<3>.仕様が決まり次第正式なご請求書をお送りし、ご入金確認次第、デザイン制作工程に進みます。

社長名刺の価格について
名刺デザイン代(印刷費別途) 30,000円
デザイン代30,000円+印刷費
印刷費は紙・印刷手法によって変動します。
※紙質とデザインの相性もございますのでお気軽にご相談下さい。



Copyright(c) All 株式会社桶屋. All rights reserved.