日本は衰退国家ではない

日々のプロジェクトや大阪でのデザイン会社としての考え方。




Jan. 2023 | 衰退国家!? それは違う

断言する。「衰退国家」では無い。



メディアからよく流されている情報。
・人口激減
・マーケットの縮小
・労働力減少
・革新的商品が誕生しない



起きている現象としては「マクロ的」には相違は無いが、本質的にはこれは大きな間違いである。
日本の本来の姿を考えると、寧ろ適切な方向に進める好機と捉えるべきである。



この概念を語る上で、まず「器」というものを考えなければならない。
例えばチャーハンを作るとき、まずその器の大きさやデザインを見なければ、
盛り付ける際にチャーハンが器からはみ出たり、余白のある良い盛り付けが出来ない。



日本は高度成長期でモノを作り続けた。
荒くも広げながら成長する時代だ。
そこから更に次は情報の量が広がり過ぎ、
今の過剰な社会に成る。



成長して広げ、過多になる事は決して悪くない。
強くなるには必要な工程である。
重要なポイントはここから。



日本という器を客観的に把握し、
広げたものをどのように精査し、
審美眼を持って表現出来るか。
只々、この点に尽きる。




本当の革新的な商品とはつくるものではなく、自然と生まれるもの。
無理矢理革新的な商品など作らなくても良い。
美しい螺鈿の細工された漆黒の輪島塗を一度でも眼前にて感じたことがあるのか?と問いたい。
南部鉄器に色を塗っている場合では無いのだ。




時に、日本の「良い謙虚さ」がアピールという表現を阻害する時がある。
わかりやすく例えるなら日本の浮世絵と海外勢の油絵の価格差は何故これ程までに開いているのか?という事だ。



アートはブランディングの力が大きな影響を及ぼす。
モネやルノワール達は浮世絵のインスパイアを少なくとも受けた人物達だ。
インスパイアを受けるということはつまり、、、
世界の名だたる画家達が素晴らしいと認めている事では無いのか。
また、北斎のある有名な波の絵、神奈川沖浪裏は
欧米では「The great wave」と称され、モナ・リザと同等程度有名だと言われている。



それだけ価値のあるものを50億円に持っていけなかったのは、
日本のブランディング力が足りなかったと感じる。
良いものを生み出すクリエイター。
その良いものをきちんとアピールし、ブランディングして価値を高めていく右腕。
その双方が揃って初めて成り立つのでは無いか。




事実、当社とお付き合いのあるクライアントはブランディング後の再評価が著しい。
問い合わせが10倍に。有名球団G終身名誉監督Nさんからのオファー。
2年先の予約が埋まる2年待ちの行列。世界の食品バイヤーから認められ販路拡大。
「良質なもの」と「ブランディング」が合わされば
其れ相応の評価が受けられるということが証明された。



上記にある日本が抱える問題など大したことはない。
人口など減ってきたらまた増えていくのは生物としての本能がそうさせる。
減ってきているということは、寧ろそのサイズ感が良いとも感じるし、
そこは人間の本来に委ねるが善し。評論家たるが兎や角言う事ではない。
其れよりも大切なことは今、日本にある競争力をもう一度見つめ直さなければならない。



今顕在化しているものだけではなく、歴史も含め。
納屋の奥底に眠っている、ホコリかぶった良いものも探せということだ。
それを持ってして、今の感覚と掛け合わせ、良い表現をするのだ。
それが本当の革新的商品なのである。



最後に日本人の知能・精神は世界一だと感じるし、
強く・しなやかな日本人に生まれて誇りに思う。















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