分厚い名刺・厚い名刺
分厚い名刺は、なぜ「良い印象」を与えるのか

名刺は、ごく小さな紙。
しかし、その厚さが0.2mmから0.6mm、さらに1mm近くになると、同じ91mm×55mmでもまるで別の物になる。
指でつまんだ瞬間に違いが分かる。
文字を読むより先に、紙が持つ雰囲気や質量、硬さが手へ伝わるのだ。
一般的な名刺なら、名前を確認して、なんの興味も持たれないまま、そのまま机の上へ置かれて終了。
ところが分厚い名刺は、一度指で挟み直したり、横から断面を眺めてみたり。
厚さは、それだけ人の触覚へ働きかけるものです。
されど、私たちは「分厚ければ分厚いほど良い」とも考えていません。
厚さには、厚さに見合うデザインがあります。
相応しい紙や印刷方法があります。
全部を強くすれば、かえって鈍重になる。
大切なのは何mmにするかではなく、その塩梅。
高価な紙を選び、金箔を押し、紙を分厚くし、さらにエンボスまで加える。
加工代だけを積み重ねれば、名刺の価格はいくらでも上げられます。
しかし、それだけで良い名刺になるわけではありません。
雲丹も鮑もキャビアもシャトーブリアンも一皿へ盛れば御馳走に見えるでしょう。
しかし強い材料には、「引く」ということが必要です。
分厚い紙には、それだけですでに物量があります。
91mm×55mmという小さな面積の中では、厚さ自体が一つの大きな表現になっている。
そこへ大きなロゴを置き、文字を詰め込み、箔を押し、エンボスを加えると、
紙と印刷とデザインが互いに張り合い始めます。
名前と会社名だけを小さく活版で押す。
あるいは社名の一箇所だけに箔を置く。
厚紙だからこそ、それくらいがちょうど良い塩梅なのです。
そのデザインの細かい妙味こそが、株式会社桶屋の名刺の仕事なのです。
厚い名刺だからこそ出来る加工。コーポレートカラーをこともなげに入れる粋な名刺:「小口染め印刷」







厚い名刺を受け取ったとき、人は無意識に分厚さを確かめたり、不思議そうに紙の側面を見たりします。
この側面のことを「小口」と呼び、分厚い紙ならではですが、紙の側面を色で染める加工が可能で、それを小口染めといいます。
薄い紙では、色をのせても線が細すぎて、ほとんど見えません。
厚みがあってはじめて、色が「線」ではなく「面」として現れます。
「面」なのです。



正面は一見平然です。白い紙に、黒い文字。
ところが、横顔に会社のコーポレートカラーが一本走っているだけで、印象はまったく変わります。
多くを語らずに語る、という意味では、これ以上ない加工かもしれません。
厚みの内に、裏勝り。
羽織の表は控えめに、裏地には上等な生地や大胆な絵柄を奢る。
「裏勝り(うらまさり)」と呼ばれる装いがあります。
江戸の人々は、ふだん人目に触れにくい羽裏にも、贅を尽くしました。
羽織を脱ぐ。その折に、裏が覗く。
着ているあいだは本人だけが知っていた趣向に、誰かが気づく。
贅沢をひと呼吸遅れて見せる、その間合いこそ非常に鯔背です。
厚い名刺に小口染めという粋な計らいを愉しんで貰えたらと感じています。
小口染め詳細ページはこちら

このように社員様全員の小口も変えることが可能です。
社員様の個性を活かすという目的でインナーブランディングにも活用できたりもします。
| 厚紙小口染め | |
|---|---|
| 価格例:小口染め×クッション紙×活版印刷100枚の価格 | |
表面1色 |
18,800円(クッション紙活版印刷代)+20,000円(小口染め印刷代)+30,000円(デザイン代) |
| 価格例:小口染め×スノーブル紙×活版印刷100枚の価格 | |
表面1色 |
22,000円(スノーブル紙活版印刷代)+20,000円(小口染め印刷代)+30,000円(デザイン代) |
| 最終金額はデザイン代30,000円+印刷代=合計金額(税抜)となります。 二回目以降のご注文は、印刷代のみとなります。 ※イラスト制作(20,000円〜)や地図製作(10,000円〜)も承っております、お気軽にご相談ください。 |
|
| ※紙質とデザインの相性もございますのでお気軽にご相談ください。 ※印刷代は100枚より200枚の方がお値段が数段安くなります。 |
|
厚い名刺だからこそ出来る加工。其の2:人の温度感を感ずる活版印刷





オフセットやオンデマンド印刷は、紙の表面にインキを平らに置きます。
活版印刷は、紙にインキを押し込む。だから指でなぞると、文字の輪郭がわかる。
目で読む前に、指が読んでしまうような印刷であり、効いてくるのが、厚みです。
薄い紙に強い圧をかけても、凹みが甘かったり、裏側まで凹みが抜けてしまったりする。
そして活版には、デジタル印刷にはない風合いがあります。
一枚一枚、インキの乗り方がわずかに違う。
均一ではないことが、そのまま人の手で刷った証拠になります。
器と同じです。大量生産の器はどれも同じで味が薄い。
陶芸家が土から選び、一つずつ絵付けした器には、心が宿る。
手間が見えると、価値というものは比例して高く感じる。
制作にかかった時間や手間が長いと知らされると、人は同じ作品をより高く評価しました。
「努力ヒューリスティック」と呼ばれる現象です。
厚い紙は、薄い紙より高く、扱いも難しく、ましてや普通の印刷機は通りません。
つまり必然的にデジタルではなく「アナログの方にようこそ」と言わんばかりに引きずり込まれて来るわけです。
活版印刷のように圧をかける刷り方では、紙が分厚いほど凹みが美しく出ます。
人が1枚1枚手で押すその凹みこそ、真実の価値であり、「偽りではないという信号」なのです。
深押しの活版印刷は、インキを付けた版を紙へ押し込み、凹みを伴って文字や図柄を刷り上げる。
厚く、ふっくらとした紙は、その圧を受け止める懐がある。
株式会社桶屋で扱う紙も、活版の凹みを表現しやすい紙の一つだ。
株式会社桶屋が生み出す活版名刺は、息を呑むほどシンプルな一枚。
一見、静かなる名刺ですが、活版印刷がその良さの全てを物語ってくれます。
黒一色で名前を刷る。
斜めから眺めると、黒い文字の縁に、紙が沈み込んだ跡が見える。
光の向きによって、その縁が明るく見えたり、影を含んだりする。
指の腹でなぞれば、小さな凹みに触れる。
一文字に、色と深さと手触りを与えられるのである。
私たちはこういうところに手をかけたい。
目に留まる一文字を、どこまで気持ちよく仕上げられるか。
感覚が喜ぶのか。
持ち主が、自分の名前を眺め直したくなるか。
その探究ほど愉しいものは無い。
活版印刷詳細ページはこちら

| 活版印刷 | |
|---|---|
| 価格例:クッション紙×活版印刷100枚の価格 | |
表面1色 |
18,800円(クッション紙活版印刷代)+30,000円(デザイン代) |
| 価格例:スノーブル紙×活版印刷100枚の価格 | |
表面1色 |
22,000円(スノーブル紙活版印刷代)+30,000円(デザイン代) |
| 最終金額はデザイン代30,000円+印刷代=合計金額(税抜)となります。 二回目以降のご注文は、印刷代のみとなります。 ※イラスト制作(20,000円〜)や地図製作(10,000円〜)も承っております、お気軽にご相談ください。 |
|
| ※紙質とデザインの相性もございますのでお気軽にご相談ください。 ※印刷代は100枚より200枚の方がお値段が数段安くなります。 |
|
「重いもの」を、人間は「重要なもの」と結び付ける(研究コンテンツ)

触覚研究では、人間の触覚は物体の「質感・硬さ・温度・重量」などを取得する重要な情報経路であり、
消費者の商品評価にも影響することが繰り返し報告されている。
ある実験では、触覚による情報が意味を持つ商品について、実際に触れることによって商品評価が変化した。
特に品質の高い商品では、触覚情報を得られることが評価を高める方向に働いている。
さらに興味深いのが、「人はどの程度の厚さの違いを感じ取れるのか」という問題である。
紙を使った精神物理学的研究では、厚さの弁別閾、すなわち「違う厚さだと感じ始める境目」が、
実験参加者全体で約0.125mmだったという結果が報告されている。
もちろん特定条件下の一研究なので、この数字をあらゆる紙にそのまま当て嵌めることはできない。
しかし少なくとも、人間の指先がかなり微細な紙厚の差を拾えることは分かる。
0.1mm程度の差さえ知覚し得るのであれば、一般的な名刺と1mm近い名刺との違いは、もはや微差ではない。
見なくても分かる。
ここが分厚い名刺の第一の強さではなかろうか。
もう一段、心理学へ入ってみる。
認知心理学には、身体化認知(embodied cognition)と呼ばれる考え方がある。
人間は「重要」「信頼」「困難」といった抽象概念を、頭だけで処理しているのではなく、
長年経験してきた身体感覚とも結び付けながら理解しているのではないか、という考え方である。
2009年、Jostmann、Lakens、Schubertは『Psychological Science』に非常に面白い実験を発表している。
被験者に軽いクリップボードと重いクリップボードを持たせて判断を求めたところ、
重いクリップボードを持った人は、対象の金銭的価値をより高く判断し、問題をより「重要なもの」として扱う傾向を示した。
さらに、重さによって判断に対する認知的努力が増える可能性も示された。
翌2010年には、Ackerman、Nocera、Barghが『Science』で六つの実験を報告している。
その一つでは、履歴書を載せたクリップボードの重量を変えた。
すると、重いクリップボードを持って候補者を評価した参加者は、軽いものを持った参加者より、
その人物を仕事に対して真剣で、重要性の高い人物として評価する傾向を示した。
日本語でも、
「重みのある人物」
「重責を担う」
「言葉に重みがある」
「軽薄」
「軽々しい」
という表現を使う。
英語にも “weighty matter” や “gravity” がある。
これは単なる文学表現ではなく、人間が幼少期から経験してきた物理的重量と、
重要性・深刻さ・価値といった抽象概念とのあいだに認知的な連関が形成されている可能性を示している。
したがって分厚い名刺についても、
厚い → 重量と剛性が増す → 手に身体的負荷を感じる → 通常より「軽く扱えないもの」として知覚される
という経路が生じるのだ。
もちろん、
「1mmの名刺を渡せば必ず信頼される」という因果関係が証明されたわけではない。
また、重量と抽象判断を結び付ける身体化認知研究には、条件によって再現性が異なるという議論もある。
大切なのは極端さではなく、通常との差を指先が感じる程度の「異物感」なのである。
最後に名刺は、企業コミュニケーションの中でも珍しく「相手に触らせることが最初から決まっている媒体」である。
だからこそ紙質や厚さを軽視する方が、むしろ不思議であり、ブランディングの観点からも重要なツールであることには間違いないのだ。
よくあるご質問
小口染めとは、どのような加工ですか?
名刺の側面(小口)を色で染める加工です。
薄い紙では色が細い線にしか見えませんが、厚みがあると色が「面」として現れます。
コーポレートカラーを入れる方法としてもおすすめです。
小口染めの詳細はこちら
社員ごとに小口の色を変えられますか?
可能です。社員様の個性を活かす目的で、インナーブランディングにも活用できます。
分厚い紙には、どんな印刷が向いていますか?
活版印刷です。厚く、ふっくらとした紙は圧を受け止められるため、凹みが深く美しく出ます。
薄い紙では凹みが甘くなったり、裏側まで抜けてしまったりします。
活版印刷の詳細はこちら
料金はいくらですか?
100枚・表面1色の価格例です(すべて税抜)。
クッション紙×活版印刷:18,800円+デザイン代30,000円=48,800円
スノーブル紙×活版印刷:22,000円+デザイン代30,000円=52,000円
小口染めを加える場合は、上記に小口染め印刷代20,000円が加わります。
紙質やデザインによって変わりますので、お気軽にご相談ください。
2回目以降の注文も、デザイン代がかかりますか?
かかりません。デザイン代30,000円は初回のみで、2回目以降は印刷代のみとなります。
200枚、300枚とロットが上がれば安くなりますか?
はい。枚数が増えれば増えるほど1枚あたりの単価は一気に下がってきます。
完成までどのくらいかかりますか?
ご入金確認後、約4日前後でデザインのドラフト案をお送りします。
修正・調整の完了後、完成まで約7営業日です。加工によって変動します。
紙の厚みや手触りを、実際に確かめられますか?
紙見本は、事務所にて実際に触れていただけます。
厚みは指で触れて初めて分かるものなので、迷われる場合はぜひ一度お越しください。
当社では様々な紙や特殊加工印刷の名刺を取り扱ってきました。極論どんな紙にでも様々な加工は出来ますが、それではバランスが悪くなってしまう可能性もあります。当社の考え方は「いい塩梅」。なんでもお金をかければいいというものではありません。レイアウトデザイン、紙質、表現したいこと、全てを加味した上でどんな加工方法にするかが非常に重要です。
ありきたりな通常の名刺ではなく、洗練された特殊加工を施した勝負名刺を一度持って頂きたいと考えております。
お問い合わせから完成までの流れ
-
01
お問い合わせ
メール・お電話・ファックスで、まずはお問い合わせください。
-
02
ヒアリング・お打ち合わせ
弊社事務所でのお打ち合わせ、またはメールでヒアリングをさせて頂きます。
-
03
制作スタート
仕様が決定しましたらご請求書をお送りし、ご入金確認後に制作へと移らせて頂きます。
-
04
デザインご提案約4日前後
デザインのドラフト案をお送り致します。
-
05
修正・調整
その後、修正・調整を致します。
-
06
印刷・完成お届け約7営業日
修正・調整の完了後、印刷へと進めさせて頂きます。完成まで約7営業日です(加工によって変動致します)。
印刷完了後、郵送または直接お渡しとなります。

